2010年に創刊したStandardは、全国的にも珍しい「地域発のスポーツ雑誌」です。岩手からスタートしたこの雑誌は記事内容、デザインで高い評価をいただいてきました。「うちの県でもぜひ作ってみたい」という引き合いが相次ぎ、現在では、宮城版、愛知版などが発売されています。
Standardの高校野球特集で常に意識していたのは、「記録価値」と「記憶価値」の両立です。岩手県の高校野球の選手全員を紹介する「記録価値」と野球というスポーツの醍醐味(かっこいい写真)を伝える「記憶価値」のバランスを取りながら誌面作りをしていました。その効果もあり、Standardの中で一番売れる号は高校野球特集となっています。
余談になりますが、Standardの取材を通して、高校時代の大谷翔平選手(花巻東卒ー現ロサンゼルス・エンゼルス)をはじめ、多くの選手の「奇跡の瞬間」に立ち会うことができました。下の写真にも登場している西和賀高校野球部は2018年当時、わずか9人の野球部。その小さな野球部が夏の予選で強豪大船渡高校を撃破した。試合後、応援席に向かって走ってきた選手たちの笑顔は今も忘れられません。