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目指すべき山

以前、岩手医科大学理事長の小川彰さんと
脚本家の内館牧子さんの対談のコーディネートをしたことがありました。

内館さんは盛岡文士劇の打ち上げの最中に
心筋梗塞で倒れ、岩手医科大学で緊急手術を受けた。

地方の大学病院でありながら、
岩手医科大学の心臓外科はレベルの高さで知られています。
無事手術を終え、岩手医科大学で入院生活を送りました。

「病室の窓から見える岩手山が本当にきれいで。
 必ずあの山に登るんだというのがモチベーションになったのです」

内館さんは対談の中でそんなことを言っていた。

僕が網膜剥離で入院したのは、
矢巾町には岩手医科大学です。
通りを挟んだ向こう側にはスーパーマーケットがありました。

入院中はその道を渡って、向こう側に行くことさえできない。
その時、退院したら、自分でカゴを持って、買い物したいと
切に思ったのです。内館さんの岩手山と比べると、かなり低い目標ですが、
僕にとっては、たったそれだけのことをしてみたいと思ったのです。

手術した左目の視力はまだ完全には戻っていない。
今も眼帯で覆った状態です。
ただ、少しづつ回復していることを実感しています。

買い物は普通に出来ています。
次の目標は、ちょっといい車を買って、自分で運転することです。

仕事が通常モードに戻り、打ち合わせは日々行っています。
そのたびに、会社のスタッフや奥さんに送迎してもらっています。本当にありがたい。

その感謝の気持ちを込めて、運転できるようになったら、
一人ひとりを乗せて、僕の運転でいろいろなところに連れまわしたい。
それが今の目標です。