古くから知っているデザイナー兼イラストレーターに
取材する機会がありました。
長い付き合いだけに気恥ずかしいところもあったのですが、
初めて聞いた話もたくさんありました。
「昔から主体性がないんですよね」
学校も仲のいい友達誘われて決めた。
東京の会社で働いていたが、親戚の声をかけられて戻ってきた。
誘われてやってみたら、長く続いた。
節目の出来事。彼にとっては、人から誘われ、
それに乗っかっているうちに今の場所にいると言っていた。
とあるテレビ番組の企画会議に偶然出た時に、
ディレクター「なんかアイデアない?」
主体性のない彼「番組の後ろにアクリル板を置いて、そこに絵を描くとか…」
ディレクター「いいじゃん、やってよ」
思いつきで言ったこと。多分、3ヵ月くらいやったら飽きられるんだろうと思っていたそうです。
それが20年以上続いている。
TAGさんという名前で、岩手県でいちばん露出の多いイラストレーターになってしまった。
「主体性がないんですよね」と言うけれど、
誘われたことに「面白そう」と思ってしまう好奇心。
そして、その誘ってくれた人を喜ばせるために一生懸命やる。
それが、彼の本質なのだと思います。
人の気持ちに応え続けること。それを長く続けることは簡単なようで難しい。
その難しいことをやり続けた結果が、今のTAGさんなのだと思います。