星野道夫さんという写真家がいました。
この方はアラスカを愛し、自然や動物の写真を撮り続けた。
星野さんの「魔法のことば」という本があります。
その一番最初にあるのは、
星野さんが中学校の卒業式の講演を収録したものです。
なぜ、アラスカという場所に惹かれ、
そして、アラスカの魅力というのはどんなものなのか。
それを中学生に向かって話しています。
僕はこの講演を読んでいて、本当に感激するとともに羨ましく思いました。
星野さんの言葉からアラスカの風景が見えてきます。
目の前にオーロラが広がるような、熊の親子が目の前を歩いているような。
そして、すごく自分とって何物にも代えがたい場所を見つけ、ずっと愛し続けている人生。
そこに感激し、うらやましく思うのです。
本当に大切なものに出会い、触れた時、
それを話す言葉はこれほど生き生きしたものになるのか。
そんな感嘆もあるのです。
僕は自分の仕事の魅力を、ここまで語れるだろうか。
そんなことを考えてしまうのです。