ニッチという言葉があります。
「隙間」あるいは「マニアック」と解釈される言葉かと。
そして、そういう小さいけれど、濃いマーケットを狙う企業があります。
これだけ価値観が多様化し、さらにはインターネットの普及により、
マニアックな人たちがつながる環境が整ってきたとも言えます。
ニッチを志す企業は、そこに対する強い思い入れがあります。
自分が好きなものをもっと広げていきたいという使命感もある。
ただ、ニッチ市場というのは、元々小さな市場だけに、
失敗する確率も高いのです。
(もちろん採算度外視と言う企業もあるにはあるのですが)
いわゆるニッチ市場に参入して成功している企業というのは、
思い入れを持ちながらも、全体を俯瞰で見られる感性が備わっていることを実感します。
そして、そこから人が望むものを掘り出す能力の高さも持っている。
プロ野球選手の折れたバットを
靴ベラにして販売している企業があります。
折れたバットというのは、もはやボールを打つという機能さえも喪失しています。
ただ、憧れの選手が握り、実際に試合で使い、ボールを打った後に折れてしまったものは、
野球ファンにとっては、とてつもない宝物。
それを誰もが使う靴ベラに変換してしまったことに価値がある。
この靴ベラは通常の靴ベラにはない価値があり、そして高い価格で販売されています。
もちろん売り上げも好調で、届くまで時間がかかる。
まさにニッチ市場を作り出してしまった。
マニアック×誰もが使うもの
という掛け合わせです。
自分たちの思い入れだけでなく、世の中がしっかり見えている。
だから成功したのだと思います。