僕の仕事はクリエイターと呼ばれます。
その呼び名にはいまだに違和感があります。
僕は会社に入って、配属された部署が制作部だったことから、
いわゆるクリエイターという職業に加えられました。
自分にはどうにも居心地の悪い場所でした。
というのも、美術の成績は惨憺たるものでしたし、
絵はどうしようもないほど下手くそです。
文章だって、誇れるようなものではないですし。
こんな仕事、自分にできるのだろうかと不安ばかりでした。
僕がこの窮地を脱するためにしたことは、
自分に足りないものとちゃんと向き合うということです。
芸術的感性が徹底的に足りない自分がこの仕事を続けるためには
必要なことだったと思います。
そして、足りないことをどうやれば埋められるかを考えるようになりました。
そして、
できないことは、人の力を借りればいい。
芸術的な感性の不足しているなら、自分の得意な部分を武器にすればいい。
という結論に至ったのです。
僕は昔から仲間づくりには自信がありましたから、
能力のある人を集め、ネットワーク化することはまったく問題ありません。
口は達者でしたし、アイデアを考えるのは嫌いじゃない。
芸術的感性がないならば、それではない部分を武器にしていけばいい。
そうやって乗り越えてきた結果が今の自分なのだと思います。
そして、これらの過程はクリエイティブそのものではないかと思うようになりました。
これは自分に向いていない、どうも苦手だ。
そう言って簡単にあきらめるのは本当にもったいない。
自分で自分を裏切っているようなものです。