以前、東京の講演で呼ばれた際にもらった講演料が驚くような値段でした。
こんなにもらっていいのだろうかと思ったものです。
そして、その時に自分の「固有価値」というものを考えるようになりました。
東京の講演で呼ばれた理由。そして、そこでの僕の価値は
「岩手という地方で、雑誌を成功させた」ということだと思います。
出版不況で、廃刊が続いていた頃のこと。
(それは今も歯止めがかからず、出版不況はさらに深刻なものになっています)
その状況下で、岩手という人口も多くない場所でなぜ雑誌が成立しているのか。
僕は広告コピーライターが本業で、雑誌の制作はその仕事の一部分でしかありません。
しかし、地方において、雑誌を成立させたノウハウというのは、
僕自身が持っている貴重な経験ですし、そして僕が東京の編集者としたら
ぜひ聞きたいものだと思います。それが「固有価値」になっているのだと思います。
「固有価値」というのは、独自の経験・ノウハウと需要の掛け算で対価が決まります。
どんなに独自性があっても、需要がなければ当たり前ですがお金は払ってもらえません。
僕には、今目指している新しい固有価値があります。
それは「衰退する地域に新しい市場を作る」というものです。
数年前から構想はありましたが、徐々に形になりつつあります。
地域活性化の事例は僕が知っているだけでもたくさんあります。
しかし、それをビジネスとして成立させているものはグッと数が減ります。
衰退の方向に向かう地方で、それを解決するノウハウは大きな需要があると考えています。
もちろん、これについては、勝手な使命感でやっている部分があります。
ただ、それらのプロジェクトを成功させた暁にはそれに応じた大きな対価を得られるものにしたい。
それはビジネスの考え方として、間違っていないと思うのです。