現役晩年の松井稼頭央(現西武ライオンズ監督)を取材したことがありました。

松井稼頭央は、その当時、「球界一の天才肌」と言われていました。
例えば、スイッチヒッターへの転向。
挑戦3年で球界を代表するスイッチヒッターになってしまった。
これは天才だからこそ成せる技だと。

楽天イーグルス時代の松井稼頭央は
本当に練習を惜しまない選手でした。
若手よりもその練習量は多かったはず。
それは取材記者の間では有名なことでした。

インタビューの最後に
「松井選手は、『天才』だと思っていたのですが、『努力家』だったんですね」
と問いかけたら、松井稼頭央はこんな言葉を続けて笑ったのです。

「自分の好きなことを一生懸命やることは、努力とは言わないと思います。
　僕は野球が好きだからやっているだけなんです。
　努力というのは、壁を乗り越えるためにするものです。
　ままならないことを克服するための行動が努力だと思います。
　だから、僕は『天才』ですよ」

僕は社員に、
「本当に好きな仕事にリスクなんてない」
と言います。

リスクがあるからやらない程度のことは、本当に大切なことではないのです。
また松井稼頭央の言うように、好きなことを続けるために時間を割くことは努力ではないと思います。
もっともっとうまくなりたいという気持ちがあるだけです。