「CED」と書かれた名刺を見たのは、1990年のことです。
当時、博報堂の学生アルバイトをしていた自分が、
東芝の仕事で電通の方と出会うことがありました。
いただいた名刺にこの「CED」という文字が刷り込まれていた。
「この『CED』はどういう意味なのですか?」
と質問したところ、ラグビー部上がりの30代の男性が
「これは、Communications Excellence DENTSUの頭文字を取ったものです」
と教えてくれました。
「卓越したコミュニケーション活動を」という意味合いだと思うのですが、
学生の自分はまったくピンと来ていなかった。
広告会社がなぜこんなことを言うのだろう?そんな程度のことしか考えられなかった。
1990年に広告会社のビジネスの中心だった、
テレビCM、ラジオCM、雑誌広告、新聞広告はすべて右肩下がり。
ネット広告に圧倒されています。
さらにはマスメディアの一方的な発信は崩れ去り、
今やその気になれば、誰もが発信者になり、双方向にコミュニケーションをしている。
まさに「Communications Excellence」が訪れているのだと思います。
そして、電通という会社の先見性に驚かされるのです。