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職人として。

僕は社長という意識が弱くて、

どちらかというと、「現場の親方」みたいな意識に近いのです。

そして、自分が身につけた仕事のコツみたいなものを

伝えていきたい、受け継いでもらいたいという意識がさらに強い。

 

先日、一緒に仕事をしてきた企業の社長が急逝しました。

僕と同じ年ということもあり、

世代ならではの共感を感じていましたし、

勝手に「戦友」という気持ちでいました。

あまりにも突然の死で、

彼だけが知っている知識や経験は途切れてしまった。

もちろん周りはその死を悲しんでいたけれど、

亡くなった本人は、受け継げないことをどれだけ無念に思っていたことか。

直接、世代交代の話をしたことはありませんでしたが、

僕は彼のこと、考えていたことを理解してきたつもりです。

だから、その無念がよくわかる。

 

人間はいつ死ぬかわからない。儚いものです。

だからこそ、人に受け継ぐことをちゃんと視野に入れなければという

気持ちが強くなっています。

「ちゃんと次の世代へ受け継がないとダメだよ」

それが、彼が僕に遺してくれたものなのだと思います。