幕末の大立者・坂本龍馬。
僕自身、大好きですし、
坂本龍馬に関する本は相当量読んでいます。
現在の坂本龍馬像というのは、
けっこう司馬遼太郎先生によって作られている部分もあり、
坂本龍馬のその人間性は創造の部分が多いのです。
以前、高知に行った時に、「脱藩の道」を歩きました。
その名の通り、坂本龍馬は、この道を通って脱藩し、
様々な偉業を成し遂げていったわけです。
僕はこの道を歩き、
坂本龍馬の気持ちを想像することができましたし、
確信めいたものを感じました。
「生まれついての身分で差別されるなんて理不尽だ。
もう自分はこんな場所はおさらばだ」
坂本龍馬は、このやるせない思いを抱いて、
土佐を後にしたのは間違いないと思います。
脱藩というのは大罪で、その罪状は家族にも及ぶものです。
脱藩の道を振り返れば、龍馬のふるさとが見えます。
多分、坂本龍馬はこの道を振り返りながら、
「家族に迷惑かかるし、脱藩はまずいわな」
と逡巡したはずです。
それでも、その思いを断ち切って、
土佐の外の世界へ出ていった。
「生まれついての身分で差別されるなんて理不尽だ。
もう自分はこんな場所はおさらばだ」
日本を変えたいとか、幕府を終わらせるとか、
そういう大志の前にあった憎悪に近い感情。
それがすべての始まりであり、
多くの人と出会うことで、大志へと変わっていったのだと思います。