message

自分が正しいと思ったら、すべての成長が止まる

現役時代の松井稼頭央選手に取材したことがありました。
メジャーから復帰して楽天イーグルスでプレーしていた時のことです。
松井選手と言えば、日本のプロ野球史上でも10本の指に入る名ショート。
その松井選手が選手晩年になって、ショートから外野手にコンバートされました。
名手だけにプライドもあったはず。「悔しくなかったですか?」と質問すると
「試合に出る確率が高くなるなら、外野でもどこでもやります。
そして、やるからには上手くなりたい。自分が成長を実感できなかったとしたら、
それが『悔しい』です」
と答えました。
僕はこの答えを聞いた時、松井選手が心底野球を愛していることを実感するとともに、
変化を恐れず、むしろ楽しもうとしている姿勢に共感しました。
過去の成功体験にしがみつくのではなく、
その時々の事情に合わせて自分を変化させるということ。
松井選手は「天才」と言われましたが、
あれほど練習をする選手を僕は知りません。
試合前の練習でも新人のようにボールを追いかけていた姿を覚えています。
後日談になりますが、コンバートされた松井選手は
外野手1年目でどれだけ失点を防いだかを示す数値でナンバーワンの成績。
あっと言う間にパ・リーグを代表する右翼手になってしまいました。
昨年の終わりから自分の企画書の書き方を変えました。
まわりから見てもわからないと思いますが、
企画書を作る行程をゼロから作り直しました。
松井選手ほど潔くなくて、自分のスタイルを変えるのは勇気がいります。
それでも時代の変化を考えれば、やはり変える必要があったのだと思います。
今のスタイルで書いた企画書にも慣れてきて、
少しずつですが、悪くないなと思い始めています。