message

そこに息づくもの、どうしようもないもの

分かちがたいもの。

人間には、そういうものがあると思います。

例えば、定年を迎えて、ふるさとに戻って来る人がいます。
暮らしの基盤はすでに別のところにあるのに、
なぜか戻って来る。
今日取材した人は東京で暮らしていた時期が長かったのにも関わらず、
定年を迎えて、地元宮城県に戻ってきたそうです。

別にふるさとが大好きというものではない。
ただ、身体に馴染むというか、
言い表せない暮らしやすさ。
そういうものがあったから戻ってきたそうです。

その土地土地には、やはり磁力があります。
言葉で明確に言い表せないものが確実にあります。
その地域の人たちの心であり、曲げられないもの、譲れないものがあるのです。

デザインに関わる仕事をしていて、
そういう場面に直面することがあります。

デザインの視点からすれば、
変えたほうがいいと思うことが
その会社では絶対に変えられないこだわりだったりするのです。

そういうこだわりを大事にしていくこともデザインの役割なのだと思います。

息づくもの、分かちがたいもの、どうしようもないもの。
そういうものに触れるのは実に大切な経験だと思いますし、
それを生かしたデザインというのは、長く愛されるものになると思います。