マイケル・ポーターは、
企業のポジショニングの魅力度や堅牢性は
その企業を取り巻く「5つの力」で分析できるとしています。
それは、以下の5つです。
(1)競合との競争
(2)新規参入の脅威
(3)代替品の脅威
(4)顧客の交渉力
(5)売り手の交渉力
これを制作会社の現状に照らしてみると、
なかなかシビアな未来が見えてきます。
(1)競合との競争
ネットの普及によって、距離を越えることは簡単になってきています。
首都圏の制作会社が地方に進出する土台は整ってきており、
事実、行政のコンペなどでは首都圏の会社が獲得する例も出始めています。
(2)新規参入の脅威
地域起こし協力隊を卒隊した人が起業。
それらの人はクリエイティブ領域に興味を持つ人が多く、
「制作会社」的な動きをする人は増えてきています。しかも安価で。
(3)代替品の脅威
AIの進化により、デザイナーが数十年身に付けた技術を軽々と越えていきます。
しかも、人件費と比べれば、恐ろしいばかりの安価で高品質なクリエイティブを
実現しています。
(4)顧客の交渉力
AIを使えば、プロが作っていたものを再現できる環境。
あるいはネットのサービスで安価で請け負ってくれる人を見つけられる。
値下げ圧力はどんどん高まっています。
(5)売り手の交渉力
制作会社は自社内完結が多く、外部からの値上げ交渉はある程度ガードできる。
(1)~(4)については、相当な逆風が吹いています。
ただ、ここで注意してほしいのは、
「従来の制作会社」のやり方を前提にしていることです。
別のやり方を見つけ、そして、業態を別のフィールドへシフトできる会社には、
まだまだチャンスがあると思っています。
それは「コンサルティング領域も得意とする制作会社」です。
この業態で「5つの力」を考えて見ます。
(1)競合との競争
ほぼ競合する会社はない状況。
(2)新規参入の脅威
知識と経験が重要な部分。仮に首都圏の会社が参入してきたとしても、
直接面談や金額の面で、知識や経験のアドバンテージを発揮しにくい。
(3)代替品の脅威
競合がほとんどいないため、代替ができるものがない。
あるとすれば、chat GPTなど。
(4)顧客の交渉力
地方ほど「相談したい」というニーズは多い。またコンサルは高額と言う理解もある。
値下げ圧力がかかりづらい環境にあることは確か。
(5)売り手の交渉力
外部発注は考えにくい。よって、売り手からの交渉は難しい。
どうでしょう?これからの制作会社の歩むべき道が見えてきませんか?