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何でもやってしまう社長

何でもやってしまう社長がいます。

これは非常に危険な社長です。
社長というのは有能な方が多い。
だから、社長になっているわけで。

この「有能」という部分が落とし穴なのです。
体力もあり、意欲的な社長というのは、
どんどん「自分がやる」仕事を増やしてしまうのです。
もちろん、自分が会社を背負っているという使命感もあるのです。
ただ、これをやっていると
「自分がやる」仕事がどんどん増えていきます。

僕はたくさんの経営者を見てきました。
この「自分がやる」社長というのは、
たいがいの場合、厳しい状況になっていきます。
社長として「自分がやるべき」仕事を忙しさの中で見失ってしまうのです。

社長というのは、目の前の仕事をやっていてはダメなのです。
5年後、10年後を見ておかなければならないのです。
それが目の前の仕事で忙殺されることで、
いちばんやらなければならない仕事がおろそかになってしまうのです。

「一人社長」という会社があります。
社長一人で切り盛りしている会社です。
当然社員がいないから、
目の前の仕事をシャカリキになってやる。
忙しいことの充実感で、
未来の会社の姿を見失ってしまう。
僕は「一人会社」から成長して、
社員を増やしている会社というものをほとんど知らない。
それほど、「一人社長」の会社は危うい。

また、中小企業で成長できない会社もそれと同様です。
社長が先頭で仕事をしている限り、
会社は大きくなりません。
だから、社長は頑張っているのに、
業績はそれほど伸びないのです。
一方で未来を見定めて、
自分はなるべく動かない。
アウトソーシングで乗り切る。
そう定めている社長というのは、逆に業績を伸ばしていく。
これも真理なのです。