オフィスで働いている人というのは、不思議なもので、
自分が衰えていくということに目がいかないものです。
スポーツアスリートの場合は違います。
今までフェンスオーバーしていた打球が飛ばなくなる。
今まで打たれなかったストレートが簡単に外野の頭を越える。
瞬発力、持久力、それらはすべてあたかさまに衰えがわかります。
ただ普通にオフィスで働いている限りは、
自分の衰えというのはなかなかわからないのです。
一人で仕事をしている人はさらにその傾向が強い。
比較対象が周りにいないから、自分の立ち位置がわからなくなる。
衰えに直面する場面がほとんどないのです。
僕は常に衰えと向き合うようにしています。
ちゃんと自分と向き合う。嫌だけれど。
体力は落ちて、夜は眠くなる。頭が働かなくなる。
これは若い時とはまったく違う。
確実に衰えているのです。自分は。
それをちゃんと受け入れながら、
今までは持っていなかった技術を磨き、
自分の中に伸びしろのある部分を探している。
そうすることで、衰えをカバーしているのです。
そして、衰えを受け入れることで大事なことは、
後進をちゃんと育てるという意識です。
自分が前面に立つのではなく、
若い人間を前面に立たせる。
ちゃんと成長する環境を用意しておく。
僕がいなくなった後も、
彼らがちゃんと生き残る術を整える。
それが衰えを迎える人間がやるべきことだと思います。
とりわけ経営者の場合。