広告を作る時に、
「おもしろいものを作ってください」
と言われることがあります。
僕はこの言葉がすごい苦手というか、
できるかなと不安になる。
僕はたくさんの映像制作者に会ってきました。
そして、世の中で評判になるような
「おもしろい」ものを作る人というのは、
たいがいの場合、すごくまっとうな常識人が多いのです。
逆に話も冗談も面白い人がいて、
「この人はおもしろいものを作るんだろうな」と思っていたら、
作ったものはごく普通だったりします。
僕は「おもしろい」ものを作る欲求というのは、
ある程度限界値があると思うのです。
ふだんの生活の中で、それが満たされている人というのは
仕事に向かったとき、もう満たされている「おもしろい」が
発露として出てこないのではないか。そう思うのです。
世の中の面白いものにもっともっと触れる、
そして、自分を渇望させる。
「こんなものを自分も作ってみたい」
そういう渇望を自分の中に持つ。
それが「おもしろい」を作るための
唯一の方法だと思います。