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3案

手塚治虫さんは
最盛期には、週8本の連載を抱えていたそうです。
1日1本上げても、それでも1日足りない、
猛烈なペースでマンガを描き続けていました。

そして、これは有名な話なのですが、
そういう忙しい状況であっても、
編集者の打ち合わせの際には、
必ず3本のアイデアを持ってきたそうです。
そして、編集者の反応を見ながら、
どの案をマンガにするかを決め手いたそうです。

編集者は締め切りが遅れるのがいちばん嫌なこと。
ある時、手塚さんと打ち合わせしていた編集者が
手塚さんから3案のうち、どれが面白いですか?
と聞かれて、「いちばん速くできるのでお願いします」
と答えて、烈火のごとく叱られたというエピソードがあります。

僕はプロである以上、そういうこだわりは大事だと思います。
そして、どんなに忙しくても、妥協しない手塚さんの姿勢は
本当にすごいと思います。

僕は今でも、仕事ではかなりの案を考えます。
「このCMは、この案しかありえない」みたいな境地には程遠い。
だから、たくさんの案を考えないと、逆に落ち着かないのです。