糸井重里さんが企画した「智慧の実を食べよう」というイベントがありました。
これは各業界の大先輩の話を聞くと言うものでした。
登壇したのは、ジャイアンツの監督だった藤田元司さん、
吉本隆明さん、谷川俊太郎さんなど錚々たる方々でした。
そしてこれらの方々の言葉は「今聞いておかないと、聞けなくなってしまう」ものでした。
名前を挙げた方々はすでに亡くなっていますし、
その時に聞いておかなければ、二度と聞けない真理があったように思います。
このイベントは書籍にもなっていて、僕は何度も読み返しては、
その言葉に背中を押されています。そして、さすがの天才・糸井重里。
「智慧の実を食べよう」というタイトルも素晴らしいですね。
このところ、業界の大先輩にお会いする機会が多く、
その言葉の奥深さに感心させられます。
同時にその軽やかさに驚かされたりしています。
長い道を歩いてきたからこそ見える景色があり、湧きだした言葉は確実にある。
ライト・ア・ライトのスタッフに、僕は「智慧の実」を味わう機会を用意したいと思っています。
僕はここ数年で、父と母、両方を亡くしました。
その時に後悔したのは、
ちゃんと話していなかったなということなのです。
父も母も、ごくごく普通の人でした。
ただ、その人生には、苦悩であり、喜びであり、秘めたることであり、
いろいろなことがあったと思います。
ただ、それを聞かないままに逝かせてしまった。
ちゃんと向き合って、耳を傾ければよかった。そう思うのです。
だから、うちの若いスタッフには
「単なる昔話」と思わずに、
聞いてほしいと思うのです。