小栗忠順は幕末の幕臣。
知名度は圧倒的に負けていますが、
勝海舟のライバルと言われた人です。
薩長軍の江戸進行に対して、
勝海舟は戦争回避を上申し、
一方で小栗忠順は徹底抗戦を主張。
結果採用されたのは、勝海舟の戦争回避。
これにより江戸は戦火にまみれることはなかったので
賢明な判断だったと言えます。
ただ小栗の立てた薩長殲滅作戦を聞いた、
薩長の参謀・大村益次郎はそれをやられたら負けていたと
青ざめ、感服していたそうです。
小栗はそれほどの切れ者であり、
同時に未来を見据える目も持っていました。
その後の薩長軍との戦いで、敗北が決定的な状況になった時、
「どうせ渡すなら家(城)だけでなく、蔵(工場などの施設)も渡していく」
と語ったそうです。
負けが決まることで、その後で使えないようにするために、
火をつけたり、壊したりして、逃げるのが一般的。
ただ、小栗はそれが未来の日本にとって良くないことと考えていた。
勝海舟とは別の立場でしたが、
日本の未来を見据えるという点では一緒だったと思います。
そして、この言葉は、自分のための言葉でもあると思っています。
家(=事務所)だけでなく、蔵(得意先、ネットワーク、仕組み)なども
次の世代を担うライト・ア・ライトのスタッフにちゃんと渡していく。
それが大事だと考えています。