わらび座の「秋田は何もない」が始まりました。
本当に面白いミュージカルになっています。
関わった作品すべてに思い入れがありますが、
自分が見た中ではいちばんおもしろい。
「秋田は何もない」は、内館牧子さんが脚本を手掛けています。
先日、実際の公演を見させていただいたのですが、
やはり内館牧子はすごい!という事です。
まずは「秋田は何もない」というタイトル。
このタイトルを聞いた時には、
過敏に反応する人もいるのではないかと心配しました。
「秋田をバカにするな」みたいに炎上するんではないかと。
ただ、そんな反応はほとんどなかった。
秋田生まれの内館さんは、そういうところも計算していたのだと思います。
内館さんは今年76歳です。老境と言っていい。
ただ、セリフを見れば、ちゃんと女子高校生のしゃべり言葉になっているし、
今の時代性もしっかりと反映されています。
さらには、観客の心をつかんだまま、最後まで引っ張っていく
構成と筆力はやはり素晴らしいと思います。
内館牧子という作家が、年齢を重ねてはいるけれど、
まったくオールドネームになっていないことを実感します。
事実、ここ数年も多数の本を書いており、
衰えるところがありません。
作家というのはニーズがなくなれば、本を出すこともできなくなります。
そんな中でもコンスタントに発表を続けていることはすごいことです。
「秋田は何もない」は、内舘牧子さんのプロとしてのすごみを感じます。
ぜひ多くの方にご覧になっていただきたいです。