僕が新卒で働いていた会社は、
盛岡の広告代理店です。
当時は岩手県で一番の規模でした。
博報堂のグループ会社ということもあり、
名前もそれなりに通っていたと思います。
僕はその会社でコピーライターとして働き始めました。
これは僕自身の希望というよりも、人事の都合によるものです。
僕が入社した年に制作部が出来て、人数合わせの意味も正直あったと思います。
自分の気持ちとは関係なく、コピーライターとして働き始めたのですが、
僕は若い頃からたくさんの賞を獲らせていただいた。
なかなか獲れない全国の賞もいただいた。
そのように実績を残しても、周囲の目は厳しいものでした。
「あの人がすごいわけじゃなくて、会社がすごいだけ」
「あれだけ予算のある企業の広告をやれば、賞を獲れて当たり前」
そういう感じだったと思います。
もちろん僕もそれは思っていて、若い頃から目立つ仕事を担当できたことには
すごく感謝しています。
ただ、それは不安にもなりました。
自分という存在が希薄というか、自分は本当に成長できているのかという漠とした不安。
正直言うと、ライト・ア・ライトという会社を作り、独立したのも
この不安が起因しています。
自分の力というものを、何にも頼らず、試してみたいということです。
自分の力で切り拓いていきたいという思いです。
ライト・ア・ライトをはじめて、13年が経ちました。
その中で僕自身が変わってきたと思います。
自分の力ではなく、会社の力。そこに感じていた不安。
それは感じる必要のない不安だということです。
プロに平等はありえません。
だから、会社がどうのこうのと言っても仕方ないのです。
チャンスが来る時に備えて、ちゃんと準備をしておくこと。
自分の将来を左右する仕事を敏感に感じ取って、最大限の力を発揮すること。
それが大事なことなのです。
若い頃の自分は、チャンスに飢えていましたし、それを探っていた。
そして、そのための準備は怠らなかった。それは自信を持って言えます。
だから会社とかは関係なく、結局は自分次第ですし、
幸運もチャンスも、すべて自分次第なのだと思います。
その結論に至ることで、、不安に感じていたことはすべて霧消しました。